プロが行う東京の一戸建て投資分析

こんにちは「百年投資家」です。今回はプロが行う東京の一戸建て投資分析について書いていきたいと思います。

東京の一戸建て投資分析

道路

今回は一戸建てについて投資分析を行ってみたいと思います。一戸建ての良いところは家賃が取れる割に外壁塗装や屋根の雨漏りなどを含め修繕費・運転費(Opex)が区分所有マンションに比べ少なくて済む点です(一戸建ての中でも特に平屋はOpexが安く済みます)。

ただし、欠点もあり土地値が高い地域の場合、初期投資額(E+LB)も高額となってしまい、結果として実質利回り(FCR)が低くなってしまう点です。それでも区分所有マンションなどに比べると営業純利益(NOI)が残りやすく投資としては失敗しにくいです!

東京の一戸建てのキャッシュフローツリー

前回書かせていただいたワンルームマンション投資と同様キャッシュフローツリーを作成したいと思います(ただ、今回も税引前キャッシュフローまでの算出は行わず、NOIまでの算出とします)。

一戸建て投資
(at homeより引用)
一戸建て投資のキャッシュフローツリーは下記のようになります。今回は上記物件(場所は東京都八王子市)で検討を行ってみました。建物面積58.79平方メートルなので小さな一戸建てですが東京都の八王子市にあり、稼働率は確保できそうです。

[総収入(GPI)=6.8万円×12=81.6万円]

at home、suumo、homesで東京都八王子市諏訪町の一戸建て賃貸物件の相場を検証し平均値からGPI(総収入)を算出しました。

[空室損・滞納損=81.6万円×0.168=約14万円]

東京都八王子市の賃貸用住宅の空室率は16.8%なので81.6万円×0.168=約14万円を計上しました。実際には一戸建てなので空室損は10%を見ておけば十分だと思いますが今回は比較検討したいのでワンルームを分析したのと同じデータ元から指数を引っ張り16.8%とさせていただきました(すでに賃貸経営を行っている場合はこれまでの経験から空室損を算出しても良いです)。

[運営費(Opex)=1.08万円×12 =約13万円]

この物件については不動産会社への管理費として家賃の5%を計上。さらに修繕積立金として家賃の5%、固定資産税として月4000円程度を追加しOpex=10800円/月としました。長期運営を考えた場合はさらに原状回復費を加味(5%~7%程度)して計算します。

[NOI(営業純利益)=81.6-14-13=54.6万円]

NOIは上記のようになります。この物件ではマンションと異なり管理費がかからず原状回復や大規模修繕を考えても再生費用が安いため、NOI(営業純利益)が高くなりました。

[FCR(実質利回り)=54.6÷660=約8%]

実質利回り(FCR)は上記のようになります。投資金額は物件価格+初期リフォーム+仲介手数料+登録免許税+不動産取得税となりますので660万円と想定させていただきました。そうすると実質利回りは約8%となります。

一戸建てとワンルームマンションの投資分析

不動産投資のマーケティング

今回の一戸建ては表面利回りは[81.6÷580=14%]なのでそれに比べると低いですが算出したFCRは実態を反映したかなり精度の高い数字であることが判ると思います。このほぼ同一条件で算出したFCRを比較検討することで投資の意思決定を行うことができます。

ちなみにワンルーム投資と比べると「一戸建て=8%>ワンルーム=5%」なので一戸建てに投資した方が利回りは高いことになります。ただ、キャピタルゲインによってトータルのリターン(IRR)は異なるのでどちらが優れているかは一概には言えません(この辺についてはまた別の機会に書いてみたいと思います)。今回の記事が不動産投資の参考になりましたら幸いです。