新築アパート経営と入居者の入居意思決定プロセス

こんにちは「百年投資家」です。今回は前回記載した「新築アパート経営の客付けをAIDMAモデルで分析」の関連事項としてコトラーの「消費者の購買意思決定プロセス」を不動産投資に応用する方法について記載していきたいと思います。

コトラーの入居意思決定プロセス

上記はコトラーの消費者の購買意思決定プロセスです。このプロセスは消費者がある製品やサービスに関心を持ってから、購買(不動産の場合は入居)の意思決定を下すまでの一連の過程をフレームワークにしたものです。

問題認識

消費者の問題認識は、消費者が生活する上で、ある製品やサービスが不足して、不満や不自由を感じた時に生じます。この問題認識には内部的要因(自らの日常生活上から生じる問題認識)と外部的要因(外部の広告などの刺激によって生じる問題認識)があります。

不動産投資・アパート経営では

不動産投資の場合「部屋が狭い」「隣の部屋がうるさい」「職場から遠い」などの問題認識から新たな部屋を探すという行動に移ります。

情報探索

消費者は認識した問題を解決するために必要な情報を探索します。多くの場合、消費者自身が今までに経験的に記憶している内部情報の探索から始めます。内部情報の探索で満足ができないときは広告や友人などからの外部情報を探索します。

不動産投資・アパート経営では

不動産投資の場合「at home」「suumo」「homes」などのポータルサイトで部屋を検索する、不動産会社へ直接訪れ、部屋を探してもらうなどの行動をとります。

代替案の評価

探索した情報の中から幾つかの候補(代替案)が生まれます。代替案の評価は製品やサービスについてだけではなく、店舗や接客などを含めて総合的に行われます。

不動産投資・アパート経営では

不動産投資の場合、入居希望者が内見する部屋全てが代替案となります。この代替案の評価はその部屋だけではなく、案内してくれた不動産会社やスタッフの評価も加味される事があります(例えば、あなたが男性で好みの女性営業マンの方に案内された場合、その女性営業マンが勧めてくれた部屋は部屋の価値+αで候補として評価されるのでは無いでしょうか!?)。そのため、大家としては可能なかぎり複数の不動産会社を使って仲介してもらったほうが決まる確率が高くなります。

購買行動

消費者は代替案の中からもっとも評価が高かった製品やサービスを購入しようとします。ただし、消費者は製品やサービスに対して評価を形成した後も知覚リスクを回避するために、決定を変えたり先延ばしにしたりする事があります。

そのため、大家側は緊急性を強調しすぐに入居しなければ他の方が入居してしまう事をアピールする必要があります。

購買後の評価

消費者は購買が終わると製品やサービスを実際に使用し、自らの購買に対して評価を行います。価格の高さは品質に対する期待の高さとも連動し、高価格で提供されていれば、それに見合うだけの品質の高さが期待されるが、安価に提供されているものであれば、そこそこの品質なのだろうと期待が低くなります。

この購買後の評価は不動産投資では長く入居してもらうために重要です。一般的に賃借人の入居期間が短ければ短いほど、プロモーション費用や原状回復費用がかかるため可能なかぎり長く入居してもらう事はアパート経営や不動産投資をする上で重要です。

新築アパートの客付けとマーケティング戦略

マーケティング

今回記載した「消費者の購買意思決定プロセス」はマーケティングの4Pのプロモーションなどで使用できますし、4Pを展開する前提条件として知識として持っている必要があります。

一昔前ならばアパートを作れば入居者が現れるという時代(プロダクトアウト)でしたが現在では入居者行動を含め科学的に分析し、マーケティング戦略を練って物件を提供していく時代(マーケットイン)です。AIDMAモデル同様にフレームワークとして使いやすいので不動産投資をする方は覚えておいて損は無いでしょう!今回の記事が新築アパート経営や不動産投資の参考になりましたら幸いです。