こんにちは百年投資家です。今回は先日、内覧した平家物件について記載していきたいと思います。この物件は売出し価格が300万円台でしたがカナリ長期間売れ残っていたため個人的には100万円台の指値も可能だったと考えています。
結果としては買いませんでしたが、今回は不動産投資初心者のために買わなかった投資判断について書いていきたいと思います。
投資検討物件の詳細
近隣標準宅地 | 11,600円 |
土地の固定資産税評価額 | 200万円程度 |
土地の公示価格相当額 | 280万円程度 |
建物解体費用 | 80万円程度 |
土地の大きさ | 170m2程度 |
建物の大きさ | 50m2強 |
新築 | 1970年代 |
構造 | 木造平家建 |
今回、内覧した物件の詳細は上記のようになっています。相続税路線価や固定資産税路線価が無い地域で、近隣の標準宅地(固定資産税路線価相当額)が11,600円となっています。
概算の土地の固定資産税評価額は200万円程度、公示価格相当額は280万円程度と求めることができます。
平家なので解体費用は高くても80万円程度と見積もることができ、個人的には「土地値−解体費用=200万円」以下で購入できれば、まずまずの投資になると判断しました。
買う気満々だった
この物件は小学校も近いですし掲載されている外観写真も良かったです。また、平家なので足場を作らず外壁塗装や屋根を塗装できるので維持費や突発的な修繕(雨漏りなど)の難易度も低いです。
エクセルで収支計算した限りでは実質利回り20%前後出る感じだったので、買う気満々で物件を見にいきましたが下記のような理由で結果的には見送りとなりました(買付証明書も送りませんでした)。
大きなクラックと建物の傾き
この築古平家の外壁はチョーキングしておらず、直近10年以内に塗装したような状態だったので初めは少し嬉しくなったのですが、建物の裏に回ってみると大きなクラックが入っており、経験上、地盤沈下によって建物自体が傾いている可能性が高いなぁと思いました。
中に入ってみると案の定、建物が傾いており、その時点であまり投資する気になれませんでした。
平家の傾きは直せる
平家なのでジャッキで上げて傾きを直すことも不可能ではありません。ただ、この物件はその他部分も含め直さなければならない点が多かったため、手がける気になれませんでした。
リフォーム費用のかかる在来工法タイル浴室
この物件では画像のような在来工法タイル浴室が使われていました。正直「建物の傾き+在来工法タイル浴室」がセットになると100万円程度の物件価格だとしても手がける気がカナリなくなってしまいます。
また、この浴室は特殊な構造をしており、ユニットバス化には70〜80万円程度の費用がかかると判断しました(在来工法タイル浴室のユニットバス化の関連記事は「一戸建ての在来工法タイル浴室をユニットバスにリフォーム!費用明細と工程」参照)。
ボロ平家の「その他マイナスポイント」
その他、画像などで詳細について触れませんが建物や土地について下記のようなマイナスポイントあり、収支を考えてもあまり割りに合わない気がしました。
メモ
- キッチンがカナリ汚い
- 軒天が剥がれ落ちている
- 下水ではなく浄化槽物件
- 近隣が汲み取りor浄化槽物件ばかり
- トイレが個室になっていない+すごい汚い
- 表層(壁紙・CF)を全て変えないと客づけが大変そう
買わなかった平家物件の「収支計算」
上記のような点を踏まえてエクセルを使って改めて収支計算をしました(百年投資家の場合、物件を見る前に概算収支計算を行い、物件を見た後、リフォーム費用部分を中心に計算し直します)。
通常、IRRを高める為にも投資金額(物件代金+初期リフォーム+諸経費)よりも高値で売れる可能性が高い不動産を購入します。
今回のボロ平家物件については最適なリフォームを行ったとしても5年後の売却時には売却損(キャピタルロス)が出る可能性が高いと感じました。
また「運営期間中の実質利回り(NOI利回り)は10%前後」「IRRはキャピタルロスが出るため8%程度」と判断しました(他の所有物件12棟の実質利回りは15〜30%程度、想定IRRは15〜40%程度)。
実質利回り | 10%前後 |
IRR(内部収益率) | 8%前後 |
投資期間 | 5年 |
傾いたボロ平家への投資まとめ
いかがだったでしょうか?不動産投資は株式投資と比較すると手間が多いため、レバレッジ効果が低い(CCRが出にくい)築古戸建て投資で株式投資の100年〜200年のインデックス平均(IRR5〜7%程度)と大差が無いならば普通に考えて投資しないほうが良いでしょう。今回の記事が不動産投資(ボロ物件投資)や投資判断の参考になりましたら幸いです。