こんにちは今回もジェネリック薬品銘柄についてです。私の投資スタンスとしては投資先が永続的な競争優位性を持っているか否かも重視しています。ROEやPER、PBR、流動比率、自己資本比率などの指標ももちろん見ますが中長期的に会社へ投資を行う場合「他の会社には無いユニークな製品を売っている」「他には無いユニークなサービスを売っている」「一般大衆から安定した需要がある製品若しくはサービスを低コストで仕入れて低コストで売っている」ような差別化された企業へ投資を行う必要があります
これは何も株式投資だけではなく不動産投資でも同様で「差別化された部屋作り」「差別化された立地」が重要となります。ただ、不動産投資の場合、地方だとしても半径5km以内しか競合がいないのに対し上場企業の場合は全世界が競合なのでより深く分析する必要があります。
差別化要素の少ないジェネリック医薬品
ジェネリック薬品メーカーの差別化が難しいことは下記の記事で書かれています。先発医薬品メーカー(代表的なのは武田薬品工業など)にくらべると後発医薬品メーカーは圧倒的な利益率でビジネスを行っています。ただ、先発医薬品メーカーは製品自体が世に無いものの為、差別化されていますが、後発医薬品メーカーの製品は差別化されていないように感じます。下記は別サイトからの引用ですが、同様の趣旨の事が書かれています。
ジェネリック医薬品の最大の特徴は「効果が同じなのに安い」という点です。しかし、その一方で、効果が同じで安い製品をどのメーカーでも作れてしまうため、同じ成分・同じ効果のある薬品が多数出回ってしまうことになります。
先発医薬品では、似たような効果であっても成分が違うので、全く同じ効果が出るということは無いので選びようがありましたが、ジェネリック医薬品は成分が同じなので、メーカーが違っても効果が全く同じであり、どこを使えば良いのか分かりません。10年前であれば、製造方法や形状の違い、管理体制の違いなどによって品質に大きな差があったため、同じ先発医薬品に対して作られた同じ成分のジェネリック医薬品であってもメーカーによって使用時の効果が違うなんてこともありました。
しかし、成分だけではなく、生物に投与した場合に本当に同じ効果が出るかを確かめる同等性試験が強化されてからはそう言った事も殆どなくなりました。
つまり、本当に効果が変わらない薬品になってしまうため、ジェネリック医薬品のメーカーは薬の効果以外でジェネリック医薬品を差別化しなければならなくなりました。
http://stonewashersjournal.com/2015/07/21/genericmaker/より引用
もし、沢井製薬のジェネリック薬品が差別化されていたとしたら医療従事者や一般市民にとってジェネリックと言ったら沢井製薬が連想されるくらいブランドが浸透している事が必要です。ブランドの浸透は「他の会社には無いユニークな製品」という認識に代わり企業に膨大な利益をもたらし、間接的に投資家に利益をもたらしてくれます。
ジェネリック医薬品銘柄の差別化戦略
- ニッチな医薬品分野への進出
- 薬の付加価値の創造
- 生産体制やサポートの強化
- 独自の技術強化
ジェネリック薬品の企業が差別化して行くポイントとしては上記が考えられます。一般的に差別化されている企業の製品は定期的に修正する必要がない為、研究開発費などに巨額の資金をつぎ込まなくても、数十年、数百年と収益を稼ぎ続けてくれます。
日本株で差別化された製品を持っている会社
日本の会社でコカコーラのような差別化された製品を持っている会社としてはカルビーや亀田製菓などの食品銘柄が挙げられると思います。ポテトチップスや柿の種などは10年後や20年後も追加の研究開発費を投じなくても稼ぎ続けてくれる可能性があります。
ジェネリック薬品銘柄の製品はまだ分析していないので判りませんが一般的に差別化された製品を持っている企業は利益率が高いです。代表的なのは食品メーカーのカルビーで高い利益率を誇ります。
ジェネリック薬品銘柄へ投資まとめ
先ほども書きましたが差別化されている企業は一般的に一貫して高い利益率を誇ります。個人的に好きな企業(株)は設備投資や研究開発費を増やさなくても収益が逓増的に増えて行く企業です。また、イノベーションが起こるような業界の場合、既存の蓄積が無になってしまう為、投資先としてはあまり好きではありません。沢井製薬に投資をするか否かは決めていませんがもう少し分析して行きたいと思います。