こんにちは100年投資の未来です。今回は東京放送(TBS)ホールディングスの業績推移やキャッシュフローなどについて分析していきたいと思います。
TBSは元々放送事業者でしたが、近年は赤坂サカスやAkasaka The Residenceを運営している会社として知られており、不動産事業の利益貢献が大きくなっています。
東京放送(TBS)ホールディングスのキャッシュフローを分析
画像はTBSホールディングスの営業キャッシュフロー(投資CF)、投資キャッシュフロー(投資CF)、フリーキャッシュフロー(FCF)の推移です。
ここ数年はFCFを継続的に計上できており好感が持てます。百年投資家が計算した過去6年間の平均POPR(株価オーナー利益倍率)は「305,916百万円(時価総額)÷20,622百万円(6年間の平均オーナー利益)=14.8倍」となっており、日本テレビホールディングスと同等水準の割安感と言えます。
TBSHDとは
TBSHDは放送事業(放送・番組制作・映像文化・取材等)を中核に、映像・文化事業、不動産事業を展開するメディア・グループ会社です。
セグメント別利益では放送事業3,172百万円、映像文化事業7,626百万円、不動産業7,787百万円となっており、不動産事業の利益貢献が最も大きくなっています。
TBSホールディングスの各種投資指標
TBS
- PBR(実):0.52倍
- PER(予):20.5倍
- ROE(実):4.31%
- 配当利回り:1.49%
- 経常利益率:7.87%
- 営業利益率:5.07%
- 自己資本比率:73.2%
- 平均POPR:14.8倍
日本テレビ
- PBR(実):0.47倍
- PER(予):10.8倍
- ROE(実):5.41%
- 配当利回り:2.50%
- 経常利益率:13.51%
- 営業利益率:11.71%
- 自己資本比率:78.7%
- 平均POPR:14.5倍
上記はTBSHDと日本テレビHDの各種投資指標を比較したものです。PBRやPOPRなど資産価値、収益に対する割安感を示す指標はほぼ同一となっていますが、利益率(営業利益率・経常利益率)が大きく異なっています。
事業構造的にTBSは放送や映像、文化などのコンテンツビジネスの利益率が低く、利益をあげる事が出来ていないのに対し、日本テレビはコンテンツビジネスの利益率が高くなっています。
TBSのセグメント業績
日本テレビのセグメント業績
そのため、業界的には情報・通信業に属する両社ですが、ビジネスリスクやビジネス機会は大きく異なっています。
百年投資家はTBSHDへ投資するか?
TBSHDについても長期では日本テレビと同様に横ばいのチャートとなっており保有資産に対して株価は安くなっていますがROEが低いため株価は上がりにくい状況が続いています(株価は上がりにくいですが、これらの既存メディア業界は割安で放置されているのでさらに市場評価が落ちるようならば買って行きたいと思っています)。
経営者層の能力は残念ながらそれほど高くないですが、長年に渡り利益を計上してきた結果、現預金を含めた経営資源は豊富なので、自社株買いを含め、活用する事さえできれば株価は上がるでしょう。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。