こんにちは100年投資の未来です。今回は株価大暴落時の投資戦略(新型コロナショック・リーマンショック・世界恐慌など)について記載して行きたいと思います。
過去、株式市場では世界恐慌、オイルショック、ブラックマンデー、リーマンショックなど様々な暴落局面がありましたが世界の株価指数は長期的には右肩上がりに上昇しています。
ブラックマンデーの日足の動き
上記はブラックマンデー(1987年10月19日)時の日経平均の日足の動きです。米国では過去最大の22.61%という下落幅を記録しただけあってものすごい暴落と言えます。
大きなショックがあった相場は通常、2番底を模索するケースが多くブラックマンデー時も大幅反発後、2番底を試す展開となりました。
リーマンショックなど、その他の暴落局面でも同様のチャート上の特徴があった為、今回の新型コロナショックについても反発後、2番底を探る展開が訪れる可能性はあります。
暴落時の2番底の深さは色々
今回の新型コロナショックでの暴落も2番底を探る展開が予想されますが、2番底の深さ、形状は様々です。
第一次オイルショック
(画像引用元:yahoo finance)
上記は1973-1974年の第一次オイルショック時のS&P500のチャートです。この時の1番底は1974年の9月、2番底は1974年12月でした。2番底の方が1番底よりも浅い、典型的な底打ちパターンのチャートです。
ブラックマンデー
(画像引用元:yahoo finance)
こちらは1987年のブラックマンデー時のS&P500のチャートです。1番底を仮にブラックマンデーの日(1987年10月19日)「248.22」と定義すると2番底は1番底よりも低い、1987年11月30日の「223.92」となります。
しかし、1987年11月30日の「223.92」を1番底と定義すると2番底らしい2番底は無く1990年にかけて再度、史上最高値を突破していったと考える事もできます。
S&P500が上昇しなかった時期
日本では米国株がもてはやされていますがS&P500も日本の失われた20年と同様に上昇しなかった時期があります。
上記はITバブル崩壊とリーマンショックを含んだ1997年から2013年までのチャートです。一番長い期間を取ると1999年〜2012年までの約13年間株価が上昇しない時期がありました。
その為、今回の暴落局面の前段階でフルインベストメントで投資を行なっていた場合は、一番戻りが早いと思われる米国株でも13年程度は待たないといけない可能性もあります。
フルインベストメントは危険
フルインベストメント(全額投資)は弱気相場では機会損失が発生するため可能ならば行わない方が良いでしょう。今回のコロナショックによる暴落のように下げ止まったと思っても再び大暴落することは良くあります。
下ヒゲ陽線など強いチャートパターンが出ても騙しであることも多いのでチャートパターンを過信せず余力を持って株式投資をしましょう。
リーマンショックの暴落は初動−27.8%
サブプライムショックは当初、緩やかな下げでしたがリーマン・ブラザーズが破たんした9月15日からの下げは今回の新型コロナショックと同様に凄まじいものでした。
当時2008年9月15日から10月6日までの一ヶ月弱の下落率は27.8%となっています(チャートはS&P500)。今回の新型コロナショックの下落率も3月13日時点で26.8%となっているため、リーマンショック級の暴落という事になりそうです。
リーマンショック時は大暴落から大底まで約5ヶ月後の月日が必要でした。一方、ブラックマンデーは下記のように急落後、1ヶ月強で大底、その後反転し右肩上がりに上昇していきました(チャートはS&P500)。
短期急落後のチャート
短期急落後はこれまでのパターンだと下げ止まった後、2番底を付けることが多いです。もちろん全てがセオリー通りにいくわけではありませんが、ブラックマンデーやリーマンショック時のチャートは参考になります。
1980年からの暴落局面(弱気相場)での投資戦略
(画像引用元:バンガードジャパン)
上記は1980年からの世界の株価指数の推移です。世界の投資市場では今回の新型コロナショックを入れると合計9回の弱気相場(20%以上の下落)を経験しています(コロナショックを入れて米国8回、英国6回など)。
今回の新型コロナショックは現時点の初動ではリーマンショックに匹敵する下落幅となっており、反発らしい反発もありません。
そのため、市場センチメントはかなり悪化し、市場から撤退する個人投資家も相次いでいます(息をしていないヘッジファンドも多数存在するでしょう)。
しかし、1980年からの過去のチャートを分析する限りでは下落相場は最短2ヶ月、最長でも30ヶ月で強気相場入りしている事が伺えます。
その為、今回の新型コロナショックは今月(2020年3月)には株価が反発して弱気相場が終わるかもしれません。
また、長引いた場合でも再来年には強気相場入りする可能性が高いです(個人的には長引くパターンの暴落では無い気がしています)。
暴落時の積立投資のパフォーマンス
(画像引用元:JP Morgan Asset Management)
最後に暴落局面で効果を発揮するドルコスト平均法(積立投資)について見ていきたいと思います。
左画像の緑色の線は世界金融危機(リーマンショック)前のピークから100万円を毎月1.5万円ずつ5年5ヶ月かけてS&P500へ投資した場合のチャートです。
ドルコスト平均法によって株価下落時には多くのポジションへ投資を行う事ができる為、平均単価が下げられ、最大下落率はわずか-9.9%となっています。
もちろん、右肩下がりに株価が下落した場合、損失が拡大するだけですが、インデックスへの投資ならば倒産する可能性は無い為、どこかの段階で報われる可能性が高いでしょう!グラフでは6年間で2倍まで資産価値が増幅しています。
ポイント
このような投資を行うためには投資のためのキャッシュフローを確保する必要があります。サラリーマンの場合は給与所得から生活費を除いた純の手残りが投資のために使えるキャッシュフローとなります。
自営業の場合は家賃収入や事業収入から生活費を除いた手残りが投資に使えるキャッシュフローです。
景気後退局面ではこのようなキャッシュフローが減少してしまう可能性が高いので自身が保有するビジネスや仕事は可能な限りディフェンシブ系にしておいた方がイイでしょう(百年投資家の場合、家賃収入がディフェンシブ事業となっており月に50万円ほどキャッシュを稼いでくれます)。
なお、バブル絶頂期の日経平均へ毎月1万円ずつ積立投資をした場合でも2019年末の時点では2倍弱の投資パフォーマンスを実現できているので、20代や百年投資家と同じ30代前半などならば、インデックス投資で死ぬまで塩漬けになる可能性は限りなく0に近いと言えそうです。
新型コロナショックでの投資戦略まとめ
今回の新型コロナショックでは短期間で大幅な下落幅(下落率)を記録したためレバレッジをかけた投資を行なっている方にとってはリーマンショック以上の厳しい投資環境だったかもしれません。
天井で売って、大底で買う事ができればカッコイイのですが、通常そのような投資はまぐれでない限りできません。
そのため、我々一般投資家はキャッシュが尽きないように投資バランスを取りながら地道に数万円〜数百万円ずつ買っていくしかないでしょう。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。