こんにちは100年投資の未来です。今回は優良上場企業の一つである旭化成(3407)の業績・CF・配当・オーナー利益の推移について分析していきたいと思います。
世間では新型コロナショックで株価が乱高下していますが、1年も経過すれば経済状況も落ち着くでしょう。このような局面では余裕を持ちながら倒産する確率が低い優良企業へコツコツと投資していくことが大切です。
旭化成のキャッシュフロー推移
(引用元:マネックス証券)
上記は旭化成の営業キャッシュフロー(営業CF)、投資キャッシュフロー(投資CF)、フリーキャッシュフローなどの推移です。
百年投資家が投資先やビジネスを分析する場合、最も重視しているのはフリーキャッシュフロー(FCF)やオーナー利益(FCFよりも厳密な株主利益)の推移です。
FCFの推移を見ると残念ながら赤字転落する年もありオービックのような綺麗な推移とは言えません。
しかし、営業CFのは右肩上がりに上昇しているため、投資CFの中身は完全なメンテナンス投資(現状維持のための投資)ではなく成長のための投資が含まれていることがわかります。
投資CFの中身
企業の業績推移を分析する場合、投資CFの中身をしっかり吟味する必要があります。例えば日立製作所(6501)などは膨大な投資CFをつぎ込んできましたが営業CFが伸びていません。このような場合、マクロ環境としては合成の誤謬へ陥っている可能性があります。
旭化成の場合、営業CFが上昇しているため投資CFがリターンに結びついている可能性が高く、百年投資家が利回り計算をする場合は成長のための投資を差し引いて計算を行います。
旭化成のPOPR(株価オーナー利益倍率)と設備投資比率は?
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
営業CF | 141,260 | 126,008 | 244,152 | 137,597 | 216,218 | 168,965 | 249,891 | 212,062 |
設備投資 | 67,435 | 88,194 | 80,933 | 82,990 | 85,184 | 82,983 | 82,909 | 114,718 |
オーナー利益 | 73,825 | 37,814 | 163,219 | 54,607 | 131,034 | 85,982 | 166,982 | 97,344 |
設備投資比率 | 48% | 70% | 33% | 60% | 39% | 49% | 33% | 54% |
旭化成のオーナー利益の推移や設備投資比率の推移を分析すると上記のようになります(*オーナー利益は営業CF−設備投資で計算)。
8年間の平均設備投資比率は46%、平均オーナー利益は101,351百万円となり、POPR(株価オーナー利益倍率)を計算すると11.8倍となります。
株価オーナー利益倍率の益利回りは8.5%(1÷11.8=8.5%)なので理論上は旭化成への投資は8.5%で運用することができるので割安と言えそうです。
旭化成(3407)への株式投資
旭化成を含め化学系メーカーの株価はコロナショックで大幅に下落しており、4%を超えるような配当利回りが期待できます。旭化成も現在の配当利回りは3.96%となっており、高水準です。
今期・来期の業績はそこまでよくない可能性が高いですが、株価はかなり織り込んできているため、1年、2年後に騒ぎが落ち着くことを考えると長期投資家にとっては絶好の買い場と言えそうです。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。