百年投資家

高校生の時から株式投資をしている30代の人。10代から始めた株式投資と20代前半から始めた不動産投資・事業経営で財を作り20代後半から一応セミリタイア中。趣味は旅行とビジネスと投資なのでセミリタイアしたけど小さな会社経営や投資活動をしています。尊敬している投資家はウォーレン・バフェット。

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ソフト99コーポレーション(4464)の業績・CF・配当・オーナー利益分析

こんにちは100年投資の未来です。今回は一時期、800株まで買い増ししたソフト99コーポレーション(4464)の業績・キャッシュフロー・配当・オーナー利益などを分析していきたいと思います(高騰した段階で投資用不動産を購入するため300株ほど売却したので現在は500株保有です)。

ソフト99コーポレーション(4464)のキャッシュフロー推移

ソフト99コーポレーション(4464)のキャッシュフロー
(引用元:マネックス証券)

画像はソフト99の営業キャッシュフロー(営業CF)、投資キャッシュフロー(投資CF)、フリーキャッシュフローなどの推移です。

営業CFの増加幅は大きくありませんが、非常に綺麗なキャッシュフロー(フリーキャッシュフロー)推移となっており、好感が持てます。

自動車産業、航空産業のように現状維持のための設備投資はほとんど必要なく、獲得したキャッシュは「現金として保有」「株主への配当金」「成長へのための投資(設備投資orM&A)」へ振り分けられています(ソフト99の場合は現金としての保有が多い)。

このような、キャッシュフロー推移の会社はこれまでの経験上、割高で買わない限り長期投資で負ける確率はほぼ0です。百年投資家が好きな投資先と言えます。

オーナー利益やオーナー利益倍率は?

株価の割安感を調べる指標として、株価と営業キャッシュフローを比較した倍率(PCFR)や株価と利益を比較した倍率(PER)は有名ですが、百年投資家は指標としては不十分と考えているため、通常、投資を検討する場合、最低でも株価フリーキャッシュフロー倍率(PFCFR)を算出します。

また、興味のある会社については算出が少し面倒ですが、POPR(株価オーナー利益倍率)を計算します(通常、数年平均の利益額と時価総額を比較します)。

ソフト99コーポレーションのPOPRはエクセルで計算したところ、上記のように投資時点で11.8倍程度でした(設備投資を現状維持のための投資として計算)。

また、最近は貸借対照表(B/S)上の現預金も加味して倍率(利回り)計算を行っています(全負債よりも現預金の多い会社は融資を行わずに自社株買いやM&Aができます。下記は余剰現預金を仮に自社株買いに利用したと仮定して実質POPRを計算しています)。


(引用元:マネックス証券)

上記はソフト99の貸借対照表ですが「現預金(18,275百万円)」「全負債(6,875百万円)」となっており純現金(所有現金で全負債を完済した場合の残り現金)は「18,275百万円−6,875百万円=11,400百万円」となります。

この「11,400百万円(全額自社株買いしても財務に影響を与えない余剰資金)」を時価総額(18,866百万円)から控除すると当時は実質時価総額が「7,466百万円」程度と計算できました。オーナー利益は過去6年を平均すると毎年「1,594百万円」となっているため、実質POPRは4.7倍(利回り21.3%)と計算する事ができます。

経済的な堀の分析(定性分析)

百年投資家が投資を行う場合、上記のような定量分析を行い、割安感やFCFの安定感があった場合、下記のような視点で定性分析を行います。

経済的な堀

経済的な堀(競争優位性)は大雑把に分類すると「無形資産(ブランド・特許・行政の許可)」「乗換コスト」「ネットワーク経済」「低価格販売力」の4つの視点から分析します。当てはまる項目が多ければ多いほど、経済的な堀が広い(競争優位性が高い)と判断できます。

ビジネスのストック性

ビジネスのストック性は「ストック性が高い (ストックビジネス )」「ストック性が低い(フロービジネス)」で判断します。ストック性が高いビジネスの方が収益が安定するため、評価が高くなります。

ソフト99コーポレーションの場合、ブランド商品はありますが、似た競合商品よりも価格を大幅に上乗せしたプレミアム価格で販売できているわけでは無いので無形資産としての堀はそれほど高く無いと判断しました。

乗換コストについては一般消費者向けの商品はそれほど、乗換コストが高いように感じませんでしたが、BtoBの商材を中心に乗換コストが高い商品が何点か見つかりました。

全般的に経済的な堀は百年投資家が行っているビジネスの一つである不動産賃貸業(不動産投資)などと比べると低いですが、商材は消耗品となっており、ストック性はそれなりに高いです。

ソフト99の株主還元姿勢


(引用元:マネックス証券)

定量分析・定性分析を行い良い会社だったとしても、株主への還元意欲が低い会社の場合、オーナー(株主)の儲けは小さくなってしまう事が多いです。

ソフト99については株主優待を実施しているとともに、上記のように配当金を毎年増額していることから株主への還元意欲は高いと判断できます(新型コロナの環境下での増配企業は評価できる)。

別の業種ですが、蔵王産業などもソフト99と同等水準(85%以上)の自己資本比率を誇り、キャッシュリッチな企業ですが今季は減配予定となっており、ソフト99と比べると株主への還元意欲は低いように感じました。

ソフト99への株式投資まとめ

いかがだったでしょうか?ソフト99は定量分析した限りでは保有現金や収益力に対する株価は非常に割安な水準と言えます。

また、商品自体はストック型の消耗品となっており、市場環境によっては花王や小林製薬レベルのPERで評価されてもおかしく無い会社だと思います。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。

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