こんにちは100年投資の未来です。今回は環境クリーニング機器の専門商社 蔵王産業(9986)の業績推移やキャッシュフロー推移について分析していきたいと思います。
蔵王産業のキャッシュフローを分析
画像は蔵王産業の営業キャッシュフロー(投資CF)、投資キャッシュフロー(投資CF)、フリーキャッシュフロー(FCF)の推移です。
業務用の清掃機器・洗浄機器・資材や家庭用高圧洗浄機の輸入・卸販売をしている業者なので設備投資は殆ど必要なく、リーマンショック時も含め毎年FCFを計上することができています。
百年投資家が計算した直近10年間の平均PFCFR(株価フリーキャッシュフロー倍率)は「8,772百万円(時価総額)÷592.4百万円(10年間の平均FCF)=14.8倍(利回り6.8%)」となっており、収益力に対して若干の割安感があります。
蔵王産業はキャッシュリッチ企業
蔵王産業の各種投資指標
- PBR(実):0.75倍
- PER(予):11.4倍
- ROE(実):6.35%
- 配当利回り:4.36%
- 経常利益率:16.16%
- 営業利益率:15.69%
- 自己資本比率:86.7%
- 10年間の平均PFCFR:14.8倍
蔵王産業の各種投資指標は上記のようになっています。PBR(株価純資産倍率)は0.75倍となっており、貸借対照表の中身を見ると現預金が殆どなので非常に割安感があると言えます。
PBRが1倍以下だったとしても、毎年、大規模な設備投資を行なっている自動車関連株や鉄鋼業などの場合、工場や工場設備、工場用地などが殆どなので実際の資産価値はPBR1倍以上となっています。
一方、蔵王産業の場合、時価総額8,772百万円(約87億円)に対して、下記のような資産と負債を保有しており、流動資産だけで時価総額に匹敵する資産を保有しています。
流動資産
- 現預金:27.5億円
- 受取手形及び売掛金:17.5億円
- 有価証券:31億円
- その他:9億円
- 流動資産合計:約85億円
固定資産
- 建物及び構築物:14億円
- 土地:32億円
- 有形固定資産合計:約46億円
無形固定資産&投資その他の資産
- 無形固定資産合計:0.15億円
- 投資その他の資産合計:4.5億円
主な負債
- 流動負債:8.5億円
- 固定負債:9.5億円
- 負債合計:18億円
このようなバリュー投資はウォーレンバフェット流というよりもベンジャミン・グレアム流の投資と言えます。
ウォーレンバフェットの場合、資産価値よりも収益力やブランド力に着目する傾向があるのでこのような会社へは投資しない可能性が高いですが、百年投資家の場合、バリュー投資を行うことも多いです。
百年投資家やバフェットは蔵王産業へ投資するか?
蔵王産業への投資はわかりやすく言えば80円で100円を購入するような投資です。資産価値は投資した金額よりも確実に高く、好きな投資手法と言えます。
一方、蔵王産業は貸借対照表に計上されないブランド力といった資産はあまり保有していません。
百年投資家が保有しているビオフェルミン製薬は時価総額258億円に対して156億円の現預金を保有しており、さらにビオフェルミンというブランド(ブランド価値は数十億円から百億円は程度はあると推定)を保有しています。
確かに蔵王産業は割安と言えますが、割安な上にブランドを保有している企業と比べると投資先としての魅力は若干落ちると考えています。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。