こんにちは100年投資の未来です。今回はニッチな市場で世界トップシェアを誇るナカニシ(7716)の経済的な堀(差別化による競争優位性)や業績推移について分析していきたいと思います。
ナカニシ(7716)のキャッシュフロー推移
上記は画像はナカニシの営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー・フリーキャッシュフローの推移です。
非常に綺麗なキャッシュフロー推移となっており、フリーキャッシュフローは2007年以降、赤字転落したことはありません。
営業CF単体で見ても2007年と比べると直近では2倍程度まで上昇しており、緩やかですが事業が成長している事が伺えます。
ナカニシとは
ナカニシは歯科医療機器メーカーです。超精密・超高速回転技術に特化した専門メーカーとして歯科医療治療機器（治療用・外科用ハンドピース、技工用マイクロモーター＆ハンドピース、滅菌器）、工業用切削機器の製造販売しています。
歯科医療用回転機器ハンドピースは世界シェア1位、歯科製品では独KaVo社に次ぎ2位となっており海外売上比率は約75%です。
営業利益率とROEは下落傾向
キャッシュフローの推移を見る限り経済的な堀(差別化による競争優位性)を所有する優良企業である事が伺えますが、営業利益率とROEはどちらかというと下落傾向となっています。
営業利益率の低下は商品の競争力低下(経済的な堀の縮小)を示唆している可能性があるため注意が必要です。
そのため、投資のための詳細な分析を行うのならば競合他社の状況や5フォースモデルで言う代替品の脅威などについても調べる必要がありそうです。
ナカニシは割安？オーナー利益倍率は？
ナカニシは現時点では経済的な堀を持ち、キャッシュフロー推移も良い優良企業の可能性が高いです。しかし、優良企業だとしても割高で投資してしまうとオーナーである株主は儲かりません。
百年投資家の場合、平均的なフリーキャッシュフローやオーナー利益(ナカニシの場合「営業CF−有形固定資産投資」で計算)と株価を比較し、割安か割高か判断します。
上記は直近8年間のナカニシのオーナー利益(紫色)の推移や設備投資(有形固定資産投資)の推移を示したグラフです。
8年間の平均設備投資比率は37%となっており、製造業である事を加味して考えると低い設備投資で利益をあげる事ができていると言えます。
直近8年間の平均オーナー利益倍率(POPR)を計算すると「192,854百万円(時価総額)÷3,893百万円(平均オーナー利益)=49.5倍」となっており成長性を加味して考えても割安感は残念ながらありませんでした。
百年投資家はナカニシへ投資するか？
ナカニシは経済的な堀がある可能性が高く、成長力もある会社なので投資したい会社ではあります。
しかし、現時点では割安感は無く、仮に利益成長が止まった場合、株価は大幅に下落する可能性が高いので現時点では様子見と考えています。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。