こんにちは100年投資の未来です。今回は業界トップの文具メーカーであるコクヨの業績推移やキャッシュフローを分析していきたいと思います。
コクヨはパイロットコーポレーションと同様にブランド力のある文具を作成しているメーカーです。利益率はパイロットと比べると落ちますが、市場占有率が高く、キャッシュフロー推移が綺麗なので好きな会社の一つです。
コクヨ(7984)のキャッシュフローを分析
画像はコクヨの営業キャッシュフロー(投資CF)、投資キャッシュフロー(投資CF)、フリーキャッシュフロー(FCF)の推移です。
パイロットと同様に綺麗な営業CF、FCFの推移となっています。破壊的なイノベーションが殆ど起こらない業界に属しているため、投資CFは殆ど必要無く、製造業ですが営業CFと同等額のFCFを叩き出しています。
百年投資家が計算した直近10年間の平均PFCFR(株価フリーキャッシュフロー倍率)は「190,796百万円(時価総額)÷11,904百万円(10年間の平均FCF)=16.0倍」、直近5年間の平均PFCFRは「190,796百万円(時価総額)÷16,570百万円(5年間の平均FCF)=11.5倍」となっており割安感があります。
コクヨとは
コクヨは文具・事務用品のステーショナリー用品、家具のファニチャー用品、オフィス通販「カウネット」・小売の3事業をグローバル展開しています。
IoT文具・針なしステープラー・デジタルノート・テープカッターなどの新商品に注力しており、現在、家具のファニチャー用品の利益貢献が最も高くなっています。
文具優良企業コクヨとパイロットの投資指標を比較
コクヨ投資指標
- PBR(実):0.82倍
- PER(予):12.2倍
- ROE(実):6.95%
- 配当利回り:2.50%
- 経常利益率:6.09%
- 営業利益率:5.81%
- 自己資本比率:68.2%
- 5年平均PFCFR:11.5倍
パイロット投資指標
- PBR(実):2.15倍
- PER(予):11.3倍
- ROE(実):22.99%
- 配当利回り:1.12%
- 経常利益率:20.19%
- 営業利益率:20.12%
- 自己資本比率:58.9%
- 平均PFCFR:16.0倍
同じ文具メーカーに属するコクヨとパイロットの各種投資指標を比較すると上記のようになります。
収益力という点ではパイロットの方が遥かに優れており、利益率の高いビジネスを行う事ができています。
ROEについてもパイロットの方が遥かに高く、内部留保の投資効率が高いことを示しています。ROEはデュポン式で分解すると下記のようになり、パイロットの場合、当期純利益率がコクヨに比べ圧倒的に高いです。
ROEを分解
ROE (当期純利益/株主資本) = 売上高当期純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ × 100 = (当期純利益/売上高) × (売上高/総資産) × (総資産/株主資本) × 100 = 売上高当期純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ × 100
このように収益力という面で見ればパイロットの方が投資先として優れていますが、現在の保有資産という面で見るとコクヨも悪くないです(PBRで比較するとコクヨはパイロットの1/2以下のPBRです)。
現在コクヨはキャッシュフロー推移で見た通り膨大な現預金を保有しており、時価総額約1,908億円に対して、約823億円の現預金を持っています。
この膨大な現預金をROEの高い事業やM&Aへ振り分ける事ができれば会社全体としての利益率(当期純利益率やROE)が改善します。
百年投資家はコクヨへ投資するか?
いかがだったでしょう?百年投資家にとってキャンパスノートなどを含めブランド力のある商品群を保有しているコクヨは魅力のある投資先と言えます。
残念ながらROEや利益率などの収益性はパイロットより低いですが、キャッシュフロー推移は良く、PFCFR(株価フリーキャッシュフロー倍率)などで見る限り割安感があります(そのため、株価次第では長期投資を行うと思います)。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。