こんにちは「百年投資家」です。今回はアパート経営の業界構造分析として5フォースモデルを紹介したいと思います。5フォースモデルを知る事でアパート経営、大家業を有利に展開することができます。
不動産投資と5フォースモデル分析
(画像引用元:http://www.i-i-b.jp/blog/3007/5f-marketing/)
ポーターは企業を取り巻く競争環境が、産業の収益性、企業の戦略に影響を与えると指摘し、どのような業界産業であろうと競争ルールは5つの競争要因により形成されると指摘しました。
私の場合、5フォースモデルはマーケティング戦略に比べると上位の概念として使用することが多いです。マーケティング戦略の主戦場は上記の図で言うと「既存競合他社」にどのように勝って行くかですが、5フォースモデルは「新規参入企業の脅威」「代替品の脅威」の分析など時間軸としてより長期の視点に立って競争構造を分析します。
不動産投資での応用
不動産投資では5フォースモデルを具体的に次のように分析します。一般的に5フォースモデルで経営者が見落としがちなのが「新規参入企業の脅威」と「代替品の脅威」です。
特に代替品の脅威はラディカルイノベーション(破壊的イノベーション)によって既存市場が崩壊することがありますので経営者としては常に市場の動向を観察しておく必要がります。
新規参入企業の脅威
ある業界に新しく参入しようとする企業が存在し、その業界への参入障壁が低い場合には競争状態が激しくなります。
これは不動産投資では郊外の空き地や農地が多い地域が該当します。このような住宅供給余地が大きい地域では競合他社がアパートを建築すれば簡単に住宅が供給されてしまうので競争環境が激化する可能性があります。
反対に地方だとしても駅近の立地では住宅や商業施設が密集しており新たに建物を建てるためには既存建物を壊さなければならず住宅供給(商業施設供給)は増えません。
上記のような新規参入の脅威を前提として投資を始める場合と前提としないで投資を始める場合では失敗するリスクの面で大きな違いが出てきます。
代替品の脅威
代替品とは、ある製品と同じ機能を持つ製品であり、その製品を保有することにより従来の製品が不要になる製品のことです。経営学・経済学の世界では「VHS→DVD」などが代替品として有名です。また、もう少し昔ならば「馬車→自動車」なども代替品の例です。
不動産投資では「アパート→一戸建て」などミクロの視点で見れば代替品はありますが「居住建物」というマクロで見ると現時点で競争環境や市場環境が激化する代替品は思いつきません。
あえて言うとネット環境が普及したことにより「商店街の店舗物件→ネット店舗」などが上げられるかもしれません。商店街物件を多く持っていた大家さんなどはネット店舗(ネットショップ)が出てきたことによって物件の稼働率が落ちている方も多いでしょう!!
買い手の交渉力
買い手とはある業界の製品を販売する顧客のことです。不動産投資の場合、入居希望者と言い換えることができます!現在、マクロ環境で見ると物件供給に対して入居希望者が少ないので買い手の交渉力は高いと言えます。買い手の交渉力が上がると一般的に販売価格(不動産の場合は家賃)が下がり、利益率が低下します。
売り手の交渉力
不動産投資の場合、売り手は我々大家がお金を払う先なのでリフォーム業者や客付の不動産会社が該当します。
交渉力は代替案の数と比例するのであなたがすぐに客付できる物件を持っていれば売り手の交渉力は弱まり広告費を払わないでも客付してくれます。
反対にあなたの物件がその他物件と差別化されていない物件の場合、売り手の交渉力は高まり広告費をたくさん支払わないと客付してくれないかもしれません。なお、リフォーム業者との交渉も同様で代替案があればあるほど、あなたの交渉力が上がり売り手の交渉力が下がります。
既存業者間との敵対関係
既存業者間との敵対関係は不動産投資では地方で半径3〜5km程度、都心ならば半径500m程度が競合となります。この中で自分の物件をどのようにポジショニングし差別化して行くかを考えます。
ポジショニングは3層モデルでも書きましたが「製品の中核」について様々な角度から分析を行い競合がいない市場(セグメント)を見つけるか競合が弱い市場を見つけそこで戦うのが基本戦略となります。
ファイブフォースモデルまとめ
いかがだったでしょうか?ファイブフォースモデルは不動産投資で使いやすいフレームワークなので自身が投資しようとしている環境を分析するのに役に立つと思います。今回の記事が不動産投資やアパート経営の参考になりましたら幸いです。
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