不動産(マンション、一戸建)を購入した場合、資産としてB/S(貸借対照表)に記載します。お金を使ったのにP/L(損益計算書)の費用として処理されないのは、購入した資産が使える状態で会社や事業に残っているからです。それらの資産は次第に古くなって価値が減って行きます。そこで、価値の減り具合に合わせて、資産の金銭的評価を下げて行きます。これを減価償却費と言います。
減価償却費はどこへ?
税法に従って減価償却すると、その分だけB/Sの左側が減少します。減価償却によって減少した金額は不動産賃貸業の場合、販売費及び一般管理費に算入されます。なお、減価償却費は実際には現金が出ていかないので節税になると言われています。
しかし、減価償却費を計上していくとB/S上の簿価が減少するため購入時より安く売ったとしても収益物件(一戸建て、アパート一棟、マンション一棟、区分所有マンションなど)売却時には譲渡所得税が発生します。
個人事業主が短期で売った場合の税率は約40%と高く、短期で売る場合は減価償却費を計上しない方が計算上は利益が多く残ります。
減価償却費とお金の動き
減価償却は不動産(マンション、一戸建ての建物部分)の取得にかかったお金を一度に費用とせず、何年もかけて少しずつ費用にする事です。しかし実際のお金の動きは帳簿上の動きと異なり、お金は出て行きません。
利益確定(売却)せずキャピタルゲイン税(譲渡所得税)を先送りにできるという点で一般的には減価償却費を計上して行った方が利益が残ります。これは不動産投資以外にも株式投資などでも同様のことが言え、可能な限り長く運用できる物件を買った方が税金部分について複利の効果が期待できます!
今回の記事が不動産投資をする上での参考となりましたら幸いです。今後とも「百年投資家」をよろしくお願いいたします。
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