こんにちは100年投資の未来です。今回は素材・製品の世界的な化学メーカーである信越化学工業(4063)のキャッシュフローや業績推移について分析を行なっていきたいと思います。
百年投資家の長期投資の対象となる企業は「消費者独占力のあるブランド(ビジネス)を持っている」「10年以上の平均PFCFRが10倍以下」のどちらかの条件を少なくとも満たしている会社が基本となっています。
BtoB企業の場合、消費者独占力のあるブランドを保有していないことが殆どなので、キャッシュフロー分析をベースに投資先企業の良し悪しを考察します。
信越化学工業(4063)のキャッシュフローを分析
画像は信越化学工業の2007年から2019年の営業キャッシュフロー(営業CF)、投資キャッシュフロー(投資CF)、フリーキャッシュフロー(FCF)の推移です。
直近で分析を行なった東レ(3402)やソニー(6758)、コムシスホールディングス(1721)などと比べると非常に綺麗なキャッシュフロー推移となっており、FCFを出しながら営業CFが右肩上がりとなっています。
現在のPFCFR(株価フリーキャッシュフロー倍率)は直近5年間平均で「4,583,943百万円(時価総額)÷159,564百万円(5年間の平均FCF)=28.73倍(3.5%)」直近10年間平均で「4,583,943百万円(時価総額)÷108,860百万円(10年間の平均FCF)=42.11倍(利回り2.4%)」となっておりFCFを見る限りでは割安感はありません。
信越化学工業とは
信越化学工業は塩ビ・化成品、シリコーン、機能性化学品、半導体シリコン、電子・機能材料、加工・商事・技術サービスの6事業を展開しています。
半導体の製造に必要なシリコンウェハ(シリコンウエハー)の分野では世界を代表する企業となっており、化学メーカーでは国内最大の時価総額の会社です。
信越化学工業の業績推移を分析
信越化学工業の業績推移は上記のようになっています。リーマンショック後の景気後退局面でも営業利益や当期純利益は黒字となっており、好感が持てます。
各種投資指標は下記の通りで、PERはまずまずの数値ですが、PFCFRが高いため、百年投資家の投資基準だと株価が6000円〜7000円前後の水準まで調整しない限り投資を行うことは無いでしょう。
各種投資指標
- PBR(予):1.76倍
- PER(予):14倍
- ROE(実):12.84%
- 配当利回り:約2.09%
- 5年間の平均PFCFR:28.73倍
信越化学工業への株式投資まとめ
信越化学工業は他の化学系メーカに比べると現状維持のために必要なメンテナンス投資が少なくて済む傾向があり、毎年フリーキャッシュフローを出しながら成長を続けることができています。
もちろんオービックなどに比べるとキャッシュフロー推移は劣りますし、サカイオーベックス(3408)や日鉄鉱業(1515)と比べると割安感はありません。
そのため、現時点で株式投資をすることはありませんが、株価が落ちてきた段階では投資を検討したいと考えています。今回の記事が株式投資の参考になりましたら幸いです。