新築アパート経営で勝つためのブランド戦略

こんにちは「百年投資家」です。今回は新築アパート経営で勝つためのブランド戦略について記載していきたいと思います。ブランド戦略はマーケティングの4P(Product Price Place Promotion)の製品(Product)戦略の一部です。製品戦略については「新築アパート経営で勝つための3層モデルと差別化戦略」などでも記載しています。

ブランド戦略は現在、不動産賃貸業(大家業)の業界ではあまり利用されていません。私がこれまで経験してきた中で有効と感じたブランド戦略は便乗型のブランド戦略で、一からブランドを構築するのに比べスピードが速く簡単に差別化ができます。

アパート経営・不動産投資のブランド戦略

ブランドとは「ある売り手の財やサービスを他の売り手のそれと異なるものと識別するための名前、用語、デザイン、シンボル及びその他の特徴」とされています。

そして、ブランドが構築される効果としては「価格プレミアム効果」と「ロイヤルティ効果」があります。価格プレミアム効果とは他の物件の同等の部屋よりも高家賃で自分が提供している部屋を貸し出すコトができる効果です。

ロイヤルティ効果とは入居希望者が自分が提供している物件に繰り返し入居してくれる効果です。ロイヤルティ効果を個人や小さな企業が行っている不動産賃貸業(大家業)で発揮する事は困難ですが価格プレミアム効果はブランド化するコトで発揮するコトが出来ます。なお、ブランドの機能については学術上、下記のように分類されます。

保証機能(品質保証機能) そのブランドが誰に、どこで作られたかを表す出所表示や品質保証として信頼を与える機能
差別化機能(識別機能) 消費者(入居者)が当該製品と他の類似する製品を識別する機能
想起機能(象徴機能) 当該ブランドが独自に持っている意味や価値を消費者(入居者)に与える機能

アパート・一戸建て・マンションの便乗型ブランド戦略

二重窓

一般的に一からブランドを構築するのには膨大な時間と費用がかかります。不動産投資(不動産賃貸業)でブランドを構築する場合に真っ先に思い浮かぶのはアパートの名称でしょう!

しかし、アパートの名称でブランド化が成功した事例は殆どなく、成功したとしてもシェアハウスなどハード面以外にソフト面が大きく作用する物件形態の場合が殆どです(ドミナント戦略で地域を寡占できればブランドかも可能ですがカナリの資本力が必要です)。

ブランド戦略

そのため、個人的にオススメなのが上記のような既ににブランド化されている商品(インプラスなど)を使用し物件自体を間接的にブランド化(差別化)する戦略です(便乗ブランド戦略)。

上記の戦略は下記のような差別化フレームワーク」では「物理的な差別化」であると同時に「イメージ的な差別化」をする事が出来ます。

差異 説明
物理的な差異 製品の用途が同じで、製品の性能、構造、デザインなどに差異がある場合に生じる 不動産の場合は間取り、外観、キッチン、ユニットバス、トイレ、建て具、ガラスの種類などハード面での差別化
イメージ的な差異 広告などの積極的な販売促進によって、消費者がその製品に対してブランド選考を持っている場合に生じる レオパレスなどの物件名・ブランド名での差別化(不動産賃貸業ではあまり導入されていない)
サービス的な差異 情報提供、アフターサービス、信用供与などの付帯サービスに違いがある場合に生じる  24時間ゴミ出し可能、女性限定アパート、ホームセキュリティー、ペット可などソフト面での差別化

(新築アパート経営で勝つための3層モデルと差別化戦略より引用)

投資物件のブランド戦略

マーケティング
(画像引用元:support.iflag.jp)
先ほどの例のインプラスはLIXILがプロモーション活動を行っており認知度が高く、ブランドから暖かい断熱性能が高い部屋が連想されます。

その高い認知度をより有効に使うため、単なる「二重窓の部屋」という表記よりも「インプラスを使った二重窓の暖かい部屋」という表記でプロモーション・販売促進をしたほうが顧客(入居希望者)への誘引力が高いです(プロモーションはマーケティングの1要素で他のマーケティング要素と一貫性を持たせる事で大きな効果を発揮します)。

新築アパート投資や新築一戸建て投資で失敗しないためには、上記のように不動産に関する知識以外にもマーケティングに関する知識も重要となります。今回の記事が不動産投資やアパート経営の参考になりましたら幸いです。