賃貸経営で大家さんが知っておきたいDCRとADS

こんにちは【百年投資家】のナミヘイです。今回は不動産投資の指標の一つであるDCR(debt coverage ratio 負債支払安全率)やADS(Annual Debt Service 年間ローン返済額)について書いて行きたいと思います。

DCR(負債支払安全率)について

不動産投資利回りの計算
DCRはNOI(ネット収入)に対する借入金の返済の割合の事です。借入金の返済(元本+金利)が90万円でNOIが100万円の場合、DCR=100/90=1.11となります。

数式を見れば判るようにDCRが1を割り込んでいる場合、持ち出しが発生している状態となります。DCRは一般的に1.3以上あれば安全性が高いと言われており、投資家のリスク許容度次第ですが私の場合等は1.5以上は最低でも確保するようにしています。

ADS(元本+金利)について

年間の借入金の返済額はADSという指標を使うこともあります[ADS=元本(元金)+金利(利息)]。ADSは税引き前のキャッシュフローの算出や先ほどのDCRを算出するのに使います(DCR=NOI/ADS)。

借入れの返済は「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があり、日本政策金融公庫では「元金均等返済」を採用していますがADSを計算する場合、毎月の返済額が変わらない「元利均等返済」のほうが計算しやすいです。

DCRを上げる方法

DCRを上げる方法としてはK%を低くする方法と同様となります。一般的に5年や10年ではなく20年や30年等の長期の借入にする事によって月々の元本の返済金額が下がりDCRを下げる事ができます。また、低金利で借入を行う事でDCRを下げる事もできます。

さらに、困難ではありますが空室リスクを減らしたり、家賃の値上げを行うとNOIを上昇させることで結果としてDCRが下がります。ただし、売却まで含めて考えると長期での借入が必ずしも正解ではありません。

長期での借入では毎月のキャッシュフローを厚くすることができますが元本の返済が進まないため売却時のキャッシュインフローは少なくなります。詳細については「大家業で知っておきたいIRR(内部収益率)の計算」などをご参照ください。

ポートフォリオで考える

不動産投資の分析DCRについては個別の不動産投資案件で考える事も重要ですが、ポートフォリオ全体で考える事もできます。

個別で見るとDCRが1を割ってしまい持ち出しとなってしまう投資案件でもポートフォリオ全体でDCRが1.3になるのならば投資醍醐味はあると思います。

この辺りは各々の投資家のリスク許容度などから投資を行うか否かを判断すれば良いのですが良い投資案件に投資する為にもポートフォリオ全体で見るという観点をもつ事が大切だと思います!!

今回の記事が不動産投資をする上での参考となりましたら幸いです。今後とも「百年投資家」をよろしくお願いいたします。