こんにちは「百年投資家」です。今回は収益物件(アパート)の値段交渉(指値)で作成した文章の例について記載してきたいと思います。私の場合、投資用不動産を購入するときは基本的に指値を行います。指値はただ値段を書くだけだと通る確率はカナリ低くなってしまうので、論理的な根拠と共に指値を行うことが重要です!!
収益物件の値段交渉(指値)で作成した文章
お世話になります。●●町の売り店舗付き住宅について●00万円にて交渉いただけると幸いです。理由としては以下の通りとなります。
[建物価格について]
築年数の古いRC物件特有の高額な修繕費、解体費から建物価値を0円と査定金額を出させていただきました。
1. 給水管、給湯管、ガス管の更生工事、更新工事が必要になる可能性が高い。RC物件の場合、配管の更生更新にお金がかかるケースが多いです。築30年を超えたあたりから水漏れなどの危険性が上がります(150万円程度〜の費用が必要)。
2. 外壁のチョーキング、屋上防水のタイミング(10年以上前との事)から数ヶ月〜数年以内に屋上防水、外壁塗装が必要になる可能性が高い(150万円程度〜の費用が必要)。
3. 物件内装について水回り(特にユニットバス)を中心に200万円程度〜のリフォーム費用が必要。また、事務所部分のエアコンの設置場所を見直す必要や、一般的なアパートのように外灯の設置も必要となります(20万円程度〜)。
4. 木造や鉄骨造に比べ解体費用が高額。数年〜数十年後の解体時には坪5万と仮定した場合でも、360万円〜の費用が発生します。そのため、売却時にはかなりのキャピタルロスが発生する可能性が高く、最悪の場合は「売却時の価値=土地値−解体費=ほぼ0円」となります。
5. 隣の資材置き場、前面の交通量の多い幹線道路は一般賃貸向けには不利な立地。事務所、商業利用(コンビニ、自動車販売)としては良い立地だが、居住用住宅としての競争力は路線価格の劣った前面道路幅の小さい地域と同等以下のレベルだと考えています。
[土地価格について]
土地価格については以下のような理由から●00万円〜●00万円と査定金額を出させていただきました。
1. 相続税路線価(24000円)、固定資産税路線価(20700円)から土地値の概算を出すと700万円前後となる(相続税路線価ベースの土地値=236(㎡)×24000(円)÷0.8(実勢価格補正)×=708万円程度)。しかし、実勢価格を確認したところ添付データ(1〜5.jpg)のように1㎡あたり1.3〜2万円程度で売買されています。
2. その他の●●町の土地でも同様の傾向があり、公示価格の55〜70%程度の価格が相場だと感じました。実際、私の事務所がある●●の固定資産税路線価が●●円なので立地や利便性を考えると●●町の固定資産税路線価(20,700円)、相続税路線価(24,000円)は高すぎるように感じます。
3. 実際に売買が成立した物件ではありませんが下記のURLの物件は今回売りに出た物件のすぐ北にある同様の物件(売り地)となります。こちらの物件は不整形地ですが2面道路に接しており利用価値はそれなりに高いです。しかし、売り出し価格ですら坪4.58万円(1.38万円/㎡)となっており、実際に売買が成立する価格はさらに低価格であることが予想されます。
http://www.athome.co.jp/▲▲●●■■
4. 上記などから私としては土地の実勢価格は1.7万円/㎡〜2.1万円/㎡と仮定し●01万円〜495万円と算出しました。
もし、売主様に持っていけるようでしたら●00万円にてまずは交渉していただけると幸いです。お手数ですが宜しくお願い致します。
収益物件の値段交渉まとめ
上記は値段交渉(指値)を行うために作成したオリジナルの文章です。交渉条件として客観的なデータを可能な限り利用しますが選ぶデータはこちら側に有利なデータを選択します。
また、土地の売買データについては「国土交通省の土地総合情報システム」から売買データを引っ張ってきています(レインズを使うこともありますが業者に見せてもらわないといけないので土地総合情報システムを使うことが多いです)。
今回掲載した文章は数年前に作成した指値用の交渉文章ですがデータの取得から文章の作成までに4〜6時間程度の時間がかかりました!現在では効率も上がりもう少し早く作成できるようになりましたがそれなりに手間はかかります。
ただ、手間の割には大きな指値が通ることが多く、時給換算しても割の良い仕事となりますので殆どの不動産でこのような文章を作成し買い付けを行なっています。今回の記事が不動産投資の参考になりましたら幸いです。
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