新築アパート経営で知っておきたい不動産取得税の軽減措置

こんにちは「百年投資家」です。今回は新築アパートや新築マンションなどへの投資を検討している場合、知っておきたい不動産取得税の軽減措置について書いていきたいと思います。

中古住宅の場合、軽減措置を受けることができる取得者は個人に限定され、取得者自身の居住の用に供していることが必要ですが、新築収益物件の場合、取得者自身の居住の用に供していない住宅も対象となります!!なお、関連記事につきましては「収益物件購入時にかかる登録免許税・不動産取得税・印紙税」をご覧ください。

不動産取得税とは

不動産投資

  • 土地や建物などの不動産を取得した者に対し、都道府県が1回限り課す地方税です。
  • 登記申請後、都道府県税事務所などから納税通知書が送られてくるので、それに従って銀行などから納付します。
  • 不動産の取得には売買によるものだけでなく、家屋の建築、増改築、不動産の交換や贈与も含まれます。
  • 相続や法人の合併のように形式的な移転の場合は非課税です。
  • 宅地及び宅地比準地には、課税標準の特例措置を設けています。
  • 一定の条件を満たす家屋及び住宅用地には、課税標準の特例及び税額の軽減措置が設けられています。

不動産取得税の節税

上記の中で投資やビジネスとして使えるのは法人合併(M&Aなど)や課税標準の特例及び税額の軽減措置です。法人合併では不動産取得税はかかりませんので優良不動産を持っている会社を買ったとしても取得税はかかりません。小さな会社を複数運営していて一つに纏めたい時などは使える制度です。

不動産取得税の税額と課税標準

不動産取得税の税額は下記のようになっております。法人(会社で)で不動産を購入した場合、一般居住用住宅でも4%で請求が来る都道府県があります。その場合、申請をすることで3%に訂正してもらうことができます。

  • 土地及び住宅の税額:課税標準×3%(特例措置で現在は3%)
  • 事務所・店舗等の家屋:課税標準×4%
課税標準の計算

課税標準は原則として市町村の固定資産課税台帳に記載された固定資産税評価額です(毎年、送られてくる納税通知書で確認できます)。宅地及び宅地比準土地の課税標準は平成30年3月31日までに取得したものについては固定資産税評価額の1/2となります。

新築収益物件取得時の軽減措置

軽減措置

新築収益物件を取得した時の軽減措置は下記のようになっています。新築とは「新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物」なので未入居物件や業者のデットストック(1年超え)では下段の既存住宅の課税標準の特例が適用となります。

ただ、都道府県によって運用が異なり、築2年の未入居物件などでも新築物件の特例が適用になるケースもあるようなので都道府県税事務所へ確認した方が良いでしょう!

建物についての軽減措置

条件 内容 備考
特例適用住宅 住宅を新築したり、新築住宅を購入した場合で次の条件に当てはまるもの

●床面積が50㎡以上240㎡以下

●アパートなどについては貸室1室につき40㎡以上240㎡以下

新築住宅の軽減の特例

●一戸につき1200万円まで非課税

●不動産取得税=(課税標準-1200万円)×3%

●別荘は対象外

●店舗など併用住宅は居住用部分が適用対象

●取得者自身の居住の用に供していない住宅も対象となる(投資用アパート、一戸建て、マンションでも可)

既存住宅 ●床面積が50㎡以上240㎡以下

●基本的には昭和57年1月1日以降に新築されたものであること

1戸につき、住宅が新築された時点により350万円〜1200万円を控除

●不動産取得税=(課税標準-控除額)×3%

●取得者は個人に限定

●取得者自身の居住の用に供していること

不動産投資として使える内容としては、新築住宅軽減措置で取得者自身の居住の用に供していない投資用アパートや投資用マンションでも適用になる点です。

適用になるか、適用にならないかで不動産取得税が最大で36万円変わってくるためしっかり確認しておきたい事項です!!

アパートの場合、一部屋の大きさが40㎡以上必要な点も注意しましょう!地方の場合、1Kやワンルームよりも1LDKなどのほうが競争力があり不動産取得税の軽減措置だけではなく中長期的な視点で見ても40㎡以上の部屋で勝負した方が良いと思います。

土地についての軽減措置

条件 内容 備考
住宅用土地 ●特例適用住宅を新築する場合は土地の取得後2年以内(やむをえない事情がある場合最大4年以内)にその土地の上に特例適用住宅を新築すること

●新築未使用の特例適用住宅及びその敷地を購入する場合(建売建物を取得する場合)は新築未使用の特例適用住宅及びその敷地をその住宅の新築後1年以内に取得すること

●自己の居住の用に供する新築未使用の特例適用住宅又は既存住宅を取得する場合は土地の取得前1年以内又は土地の取得後1年以内に、その土地の上にある自己の居住の用に供する新築未使用の特例住宅又は既存住宅を取得すること

●不動産取得税=(課税標準額×3%)-軽減額

軽減額は次のいずれか多い金額

●45,000円

●土地の1㎡あたりの評価額×住宅の床面積の2倍×3%

●土地の上にある住宅が特例の対象になるものであること

●土地を取得した後2年(最大4年)以内に住宅を新築する予定のときは申告により軽減額分の税徴収が猶予されます。

土地についての軽減措置は建物についての軽減措置が適用になった場合、適用されます。地方の場合、土地の評価額は安いので大きな減税にはならないかもしれませんが東京や大阪など土地値が高い地域では大きな金額となります。

不動産取得税の軽減措置を受ける方法

不動産取得税の軽減措置を受けるためには原則として都道府県税事務所への申告が必要となりますが、都道府県によっては軽減後の金額で納税通知書を送付してくれることもあります。

納税通知書については一般的に土地では登記申請後、約3ヶ月後、建物の新築の場合は翌年の6月〜7月頃に通知書が送付されてくるケースが多いですが念のため軽減措置などを含め直接都道府県税事務所へ聞いた方が良いでしょう!今回の記事が不動産投資の参考になりましたら幸いです。

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