約4年前に山梨県甲府市で投資用の一戸建てを購入しました。こちらの物件は前橋市のマンションやさいたま市のマンション、鴻巣市のマンションと異なり日本政策金融公庫から100万円の融資を使い物件を買っています。
私が買う一戸建てはそこまで新しい物件ではなく法定耐用年数(木造の場合22年)を過ぎた物件を買っています。その理由としては一戸建ては25年くらいを過ぎると建物価値0円で市場にて売買される習慣があること。
さらに、減価償却費を短期で多く取れ、また、初期のリフォーム費用を修繕費として一括経費計上でき、節税対策になるためです。
ただ、現在では徐々に建物価値0円ではなくメンテナンスが行き届いた物件については数百万円など価値が評価されるようになってきています。
欧米ではインフレということもありますが、建物価値が0円やマイナス評価になることはありませんので日本でも今後、築古の建物が評価されるようになってくる可能性はあります。
法定耐用年数を過ぎている一戸建て(木造住宅)は4年間で減価償却を行うことができます。建物価格100万円だとすると1年間の減価償却費は25万円となり25万円の現金が実際に出ていかないのに会計上は25万円の経費を計上できます。ただ、5年目以降は経費計上ができませんので注意が必要です。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫から100万円の融資をしました。実際には現金でも買うことができましたので融資(ローン)を使う必要はありませんでしたが、手元の現金を減らすといざという時に対応できなくなるので、事業経営上なるべく減らさないようにしています。
融資は設備投資資金としてではなく、事業の運転資金として借りました。そのため融資期間は5年で金利は0.85%となっています。毎月の返済額は1.8万円程度なのでK%(ローン定数)は21.6%と非常に高くなっており、イールドギャップはほぼマイナスです(レバレッジが効いていない)。
不動産投資の本やブログでローン定数は低い方が良いって書いてあったし、イールドギャップがマイナスじゃあ投資としてはダメなんじゃないの?
羊さん、よく勉強していますね!その通りでレバレッジを使った投資の場合、イールドギャップがマイナスじゃあレバレッジの意味がありません(先ほどの計算だと私は21.6%で資金を借りていることになります)。ただ、イールドギャップは投資のスナップショットでしかなく、投資トータル(物件の購入から運用、売却まで)で考えると5年後の売却時には借入(ローン)がなくなるため売却した場合、十分な利益が出ます。このように投資はスナップショットで見る方法と投資トータル(ビデオで見る)方法があり、前者ではイールドギャップやFCRなどが使われ後者ではIRRなどが使われます。
イールドギャップの計算
K%やイールドギャップ、IRRなどについては難しい内容なので別の機会に専用の記事を作成します。今回はK%をせっかく算出したのでイールドギャップ[FCR(実質利回り)-K%=イールドギャップ]を算出したいと思います。なお[K%<FCR]となっているとレバレッジが効いていることになり借入を行えば行うほとCCR(自己資本利益率)が上昇します。
年間の家賃収入(EGI) | |
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GPI(満室家賃) | 60万円 |
空室損5% | 3万円 |
EGI(年間家賃収入) | 57万円 |
運営費用(Opex) | |
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管理費 | 3万円 |
固定資産税・都市計画税 | 3万円 |
CATV | 3万円 |
修繕積立金 | 3万円 |
Opex(運営費)合計 | 12万円 |
投資分析 | |
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EGI(Effective Gross Income) | 57万円 |
Opex(Operating Expenses) | 12万円 |
NOI(営業利益) | 45万円 |
ADS(年間ローン返済額) | 21.6万円 |
BTCF(税引き前キャッシュフロー) | 23.4万円 |
投資総額(物件金額+諸費用) | 300万円 |
FCR(実質利回り) | 15% |
イールドギャップ(15%-21.6%) | -6.6% |
レバレッッジ判定 | × |
以上のようになります。なお、Opexの修繕積立金については計上しないで計算する人もいると思いますが私の場合、区分所有マンションと投資比較をしたいので修繕積立金を家賃の5%程度で計上するようにしています。
投資分析はあくまでも管理会計に属する分野であり、目的ではなく手段なので数字の捉え方や数字の使い方は個々によって異なって良いと考えています。
この物件は現在、実質利回り15%以上で運営しています。一戸建ての場合、地方でも空室損は5%見積もっておけば十分でしょう!
山梨県の投資用一戸建ての詳細
山梨の投資用一戸建ては駅からは遠い物件ですが駐車場が1台庭に停めれる物件です。間取りは3DKで広さは約70㎡で丁度良い大きさ、近隣に月決め駐車場が多数あったのでDINKSやファミリーにも十分対応できると考えました。
今回も川上物件ではなくネットで出ていた物件に指値(値段交渉)をして購入しました(実際には相続などの川上物件も購入しています)。1986年と少し古い物件ですが昭和56年(1981年)以前の旧耐震基準の物件ではなく形も総二階で地震にも強い構造だった点も良かったです!
物件購入後、壁紙、クッションフロアのリフォームを行い(コストがかかる砂壁→壁紙は全てDIYで行い、他は業者を使いました)、リフォーム後、2週間でファミリーの3人家族が借りてくれました(^^)
一戸建ては入居した後、短いケースでも5年程度住んでくれますので原状回復費用の負担が少なく、投資全体で考えると利益が出やすいと思います。
一戸建て不動産投資まとめ
最近では地方でも新築の一戸建て賃貸が出てきており、今後は競争が激化してくる可能性があります。
ただ、現時点では家賃水準が倍以上異なるためターゲット層が異なり競争にはなっていません。しかし10年〜20年後は現在新築で作られている物件が中古物件として安い家賃で市場に供給されてくると考えられるため、一戸建ての不動産投資も環境が厳しくなると考えられます。今回の記事が地方不動産投資の参考になりましたら幸いです。
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