大家業で知っておきたいIRR(内部収益率)の計算

こんにちは【百年投資家】のナミヘイです。今回は不動産投資が初めての人でも是非知っておきたい指標の1つであるIRR(内部収益率)について書いて行きたいと思います。

なお、関連記事については「新築一戸建てへ不動産投資!!IRRと収益性の計算」で書いています。私の場合、投資を行う時にはIRRとともに投資の時給を重視して意思決定を行っています。

不動産投資とIRR(内部収益率)

不動産投資利回りの計算
IRR
(内部収益率法)とはFCR(NOI利回り)やCCRなどの単年度の利回りだけではなく、不動産の売却も含めたトータルのリターンを表した指標の事です。

NPV(正味現在価値)がちょうどゼロになる割引率を示しており、「その投資は何パーセントの割引率(利回り)で考えておけば成り立つ投資なのか」を知る事ができます。ただ、実際の運用としては数年後の売却時の価格を正確に見積もる事は神でも無い限りできません。

しかし、IRRは売却時にキャピタルロス(売却損)が出た場合に低下し、キャピタルゲイン(売却益)が出た場合に上昇します。この売却損益を加味している点でFCR(実質利回り)などの利回り指標よりも優れた指標だと私自身は考えています。

IRRの具体例1

投資総額が500万円、年間のキャッシュフローが50万円の不動産投資案件で4年後に700万円(家賃と合計すると4年目のキャッシュフローは750万円)で不動産が売却できた場合のキャッシュフローは以下のようになります。
キャッシュフローの推移

IRR 0年目 1年目 2年目 3年目 4年目
18% -500 50 50 50 750

この場合IRRは18%実質利回りは10%となり一見すると実質利回りが低いようですがキャピタルゲインによりIRRが跳ね上がります。

IRRの具体例1

投資総額が500万円、年間のキャッシュフローが100万円の不動産投資案件で4年後に200万円(家賃と合計すると4年目のキャッシュフローは300万円)で不動産が売却できた場合のキャッシュフローは以下のようになります。

キャッシュフロー推移

IRR 0年目 1年目 2年目 3年目 4年目
6% -500 100 100 100 300

この場合IRRは6%実質利回りは20%となり一見利回りが高い投資のように見えますがキャピタルロスによってIRRが大きく低下し、あまり良い投資になっていない事が判ります。

IRRと大家業まとめ

大家業

このようにIRRという指標や概念を不動産投資に取入れる事で投資物件の見方が少し変わってくるのでは無いでしょうか!?一見高利回りの投資案件に見えてもキャピタルロスによってIRRがマイナス(計測不能)なんて事もあり得ます。

そのため、不動産投資では可能な限りキャピタルロスの発生しない物件や発生しない地域に物件を購入し、可能だったのならばキャピタルゲインを狙って行く事が基本戦略です。

しかし、キャピタルロスが出にくい物件は土地値以下で販売されている築古物件となるため、運営期間が短くなる傾向があり税引き後のキャッシュフローでIRRを計算すると長期で運用でき税金の納税を先送りにできる新築物件のほうが優れている場合もあります(詳細については「区分所有マンションの売却と投資リターンの結果発表!」「新築アパート経営と築古物件投資の利回り・IRR・時給を比較」などをご参照ください)。今回の記事が不動産投資の参考になりましたら幸いです。