こんにちは今回は不動産投資の利回りの計算と投資指標について、まとめさせて頂きたいと思います。なお、指標一覧につきましてはこちらで記載してます。
さすがに全く分析を行わないで投資用不動産(一戸建て、マンション、一棟アパート)を買う方や業者に言われたままの数字を鵜呑みにして買う方はいないと思いますが自身である程度の分析を行うことは利回りを上げるだけではなく、不動産投資を失敗するリスクを下げる効果もあります。
不動産投資の利回りと投資指標
不動産投資の利回りと投資指標
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今回は先日、オーナーチェンジで売却した区分所有マンションの投資リターン(IRRや投資の時給)について記載して行きたいと思います。不動産投資の世界では最終的な利回りや収益総額が決定するのは売却した時です。そのため、売却したらそれで終わりでは無く、PDCAサイクルを回すためにも投資の収支を最終確認し、次の投資に活かす必要があります。
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ボロ物件投資では新築アパート投資と異なり高利回りが期待できる一方、手間がかかるため、投資に対する時給の観点ではあまり優れていません。NOIベースのキャッシュフローは下記のような推移を想定しており、前提条件として賃借人が入居後6年目まで退去しないことを想定しています。
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不動産投資では物件を売却して初めて利回りが確定します。運営期間中の利回りが高かったとしても売却時に大きな損が出てしまうとトータルでの利回りは低くなります。このトータルでの利回りはIRRによって計算することができ、IRRを高めるには運営期間中の利回りを上げるとともに、売却時にキャピタルゲイン(差益)を得ることが重要です。
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表面利回りとは不動産価格に対する家賃の事です。例えば500万円の一戸建てが市場に売りに出ていて年間期待家賃が50万円だとしたら表面利回りは10%となります。
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NOI(Net Operating Income)とは営業純利益などと訳されたりします。NOIは空室損や運営費用(管理費、修繕積立金、固定資産税)等が加味されているためGPI(満室時家賃 Gross Potential Income)よりも低い値となります。
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GPIとは投資物件に空室や滞納損が無いと仮定したときの年間想定賃料収入の事です。例えば5万円で貸す事のできる物件のGPI=5×12=60万円となります。
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投資の意思決定をする上では物件価格のみではなく物件価格以外にかかってくる様々な費用を加味し投資総額を算出する必要があります。
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空室率を詳しく見て行くと時点空室率、稼働空室率、賃料ベースの空室率があります。これらを詳細に見て行っても良いのですが実務的に簡単に利用できるものとしてHOMSEの見える!賃貸経営(http://toushi.homes.co.jp/owner/)があります。
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1坪辺りの賃料とは3.3㎡あたりの賃料の事です。一般的に東京等の首都圏で高く、地方に行くと低くなります。一坪あたりの賃料がなぜ重要になるかというと、坪当たりの賃料が高いからと言って運営費が異なるわけではないからです。運営費は豪雪地帯や極端な過疎地を除いて日本全国どこの地域であっても大きく変わるものではありません。
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CCR(Cash on Cash Returen)は自己資本配当率と訳され投下した自己資本に対するリターンを表す数字となります。株式投資などで使われるROI(Return On Investment)と同様の意味の指標です。
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ローン定数とはレバレッジ判定を行う場合に必要な定数の事です。年間返済総額のローン残高に対す割合の事で「年間ローン返済額(年間元本返済額+年間金利返済額)/ローン残高=K%(ローン定数)」の式で表す事ができます。
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DCRはNOI(ネット収入)に対する借入金の返済の割合の事です。借入金の返済(元本+金利)が90万円でNOIが100万円の場合、DCR=100/90=1.11となります。
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IRR(内部収益率法)とはFCR(NOI利回り)やCCRなどの単年度の利回りだけではなく、不動産の売却も含めたトータルのリターンを表した指標の事です。
投資指標と利回りまとめ
投資指標としては借入を使わない一戸建て投資や区分所有マンション投資の場合、DCRやK%、レバレッジ判定、CCRなどは計算しなくても問題ありませんが、借入を使う場合は計算する必要があります。
また、基本的には完璧な数字を出す事は不可能ですがIRRなどは概念を知っていると出口戦略の役に立ちますし、投資の入り口から出口までトータルでのリターン(利回り)を算出できますので非常に優れています。
なお、はじめて不動産投資を行う方にとってはどのような費用が発生するか等が判らないため概算の数字を出すだけでも苦労すると思います。はじめて大きな物件を買う場合は失敗のリスクが高くなりますので数百万円の小さな物件から始める事をお勧めします。
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